巨大橋梁の躯体を保護し、塗り替え頻度が少ない塗膜が必要
通常の橋梁は、直射日光や風雨を直接受けるという厳しい環境にさらされるものです。「明石海峡大橋」などの海上に架かる橋梁は、当然ながら塩害も生じやすくなります。そのため、塗装でコーティングすることは、単に美観を整えるだけではなく、躯体を塩害から守り、腐食や錆などを抑えるためにも不可欠です。
したがって、塗装自体が早々に劣化してしまっては意味がありません。数年で塗り替え作業を行うにも、全長3,911m、主塔の高さ約300m(海面上)にもおよぶ「明石海峡大橋」では、足場を組むことすら至難の業であり、当然コストもかさみます。耐候性が乏しい塗料ではひんぱんな塗り替えが必要となるため、超耐候性を持った塗料を使用することが望まれました。そこで、AGCのフッ素樹脂技術が活躍することになったのです。
耐候性が認められ、15万件以上の実績と高いシェアを誇る
「明石海峡大橋」に用いられた塗料には、AGCの塗料用フッ素樹脂『ルミフロン』が採用されています。『ルミフロン』を原料とした塗膜は、アクリル樹脂やポリウレタン樹脂などを原料とした塗膜に比べ、数倍長持ち(環境により異なる)するため、コストのかかる塗り替え工事の頻度を減らすことができ、大幅なコスト抑制が図れます。一般に、フッ素樹脂塗料は他の樹脂塗料に比べて金額が高いものですが、長期的なトータルコストを考えると、非常に大きなメリットが生まれます。また、塗り替えのたびに使用する揮発溶剤による環境への負荷や廃棄物などが少なくて済むというメリットも持ち合わせています。
1982年に商品化された『ルミフロン』は、現在までに15万件以上もの採用実績を誇ります。その用途は、橋梁をはじめ建築物や航空機、車両など幅広い産業分野に渡っており、フッ素樹脂塗料におけるルミフロン塗料の占める割合はおよそ80%におよび、ご採用いただいたお客様から高い信頼を得ています。『ルミフロン』は、現場での調合も行え、常乾塗装も可能です。また、有機溶剤を含まない水系グレードや粉体塗料用グレードもラインアップしています。

航空機や大型建造物の外装にもルミフロン塗料が採用されています。
耐久年数が重要な橋梁の塗装は、フッ素樹脂塗装がスタンダードに
現在、塗装が長持ちすることによるライフサイクルコストの低減や、環境への配慮が考えられたフッ素樹脂塗装が、橋梁の新設・塗り替え共に主流となっています。日本の橋梁の設計・施工・維持管理の基準となる「鋼道路橋塗装・防食便覧」において、上塗りにフッ素樹脂塗料を使用することが標準化されたことも、この流れのひとつと言えるでしょう。
旭硝子では、日本国内で1985年より5年間、官公庁などとの共同研究として、全国各地の橋梁でルミフロン塗料の実曝試験を行いました。その後も継続して追跡調査を実施しており、いずれの橋梁においても塗装当初の美観を保っていることが実証されています。
こうした試験データや長年かけて蓄積された豊富な実績とノウハウ、業界を牽引するフッ素樹脂技術によって、AGCの『ルミフロン』は進化し続けています。あなたの身近な建造物にも、もしかしたら『ルミフロン』が活用されているかもしれません。

